『無事是貴人』:要らざる思いを捨て去る。

  先般・天国へ旅立たれた「千宗室」氏のお言葉。

銀行の待合で見つけた『抜筆のつづり その八十四』より写書しました。

「無事是貴人」という禅語は、茶席でよくみられる・・・。

この「無事」という字面から、怪我や病気のない平穏とかのように

理解している方が多い・・・。

本来は「要らないものは持たない」ことを意味している。

人間はお金・地位・称賛といった姿形のないものまでも求められている。

ここでいう「 貴人」は不必要なものを求める心を捨て去った人を指している。

茶の湯の世界では、

今の自分をしっかり見て、今の自分を全うする。

ここでいう「今」は、「今日」ということ。

     茶の湯の世界は「点前手続きを学ぶ場ではありません」

     自分自身の心の在り様を見つめること。

*『抜筆のつづり』令和7年1月29日発行・(株)クマヒラホールディングス・熊平雅人

        写真:立礼・点前・由華さん:カメラ・熊谷

           (玲子さん仕立てのドゥジンを着用して)