今朝・琉球新報・歴史小説『安恒』を読む
久高が言い返した。「天子様に楯付いたのが、未来永劫許されないというのなら、ウンジュらもおなじだ」「ウンジュというのは何のことだ?」「あなたという意味です」「おいらたちが、何じゃっちゅうとじゃ?」
久高がこたえた。「ウンジュがたは、ワッターの天子様に楯突いたんだ」
「いったい、何ゆちゃっど?」
久高がさらに言った。「二百七十年前のことだ。薩摩が運天港に上陸し、ワッターの天子様の土地を侵略した。そして、沖縄を支配していたんだ」
川端が笑った。「おめえらの王様と天子様をいっしょにすっな。不敬だぞ。琉球王など首長に過ぎん」
「ヤマトの天子も御主加奈志も同じだ。御主加奈志は、太陽の子だぞ」
川端が顔をしかめた。「おめが何を言ってるのかわからん。わかる言葉で話せ」
「ワッターの王様は、太陽の子だと言っているのだ」
・・・・つづきはご一読を。
写真:火炎木/330号線・街路樹/4月25日撮影・熊谷奈奈
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